ストリートファイター ZERO/ALPHA:本編以前の前史
『ストリートファイター1』と『ストリートファイター2』の間には、数年の空白がある。カプコンは後にこの空白を埋める「前日譚」シリーズを世に送り出した——それが『ストリートファイター ZERO』(海外名 ALPHA)だ。
過去を補完する作品
『ストリートファイター ZERO/ALPHA』シリーズの時系列は、初代『ストリートファイター』の後、『ストリートファイター2』の前に位置する。正式な世界格闘大会はなく、各闘士たちの私的な対決と確執が描かれる、いわば「群像の前日譚」だ。
だからZEROシリーズに公式の「優勝者」はいない。それは試合の結果ではなく、人間関係を補完する物語なのだ。
ナッシュの犠牲
ZEROシリーズ最大の要点は、ガイルとナッシュという戦友の結末だ。『ストリートファイター ZERO3』で、ナッシュはベガを道連れにし、戦友をかばうために自らを犠牲にした。
この出来事は、『ストリートファイター2』でガイルがなぜあれほどベガを憎むのかを直接説明する。彼の復讐は、ナッシュが倒れた瞬間から始まっていたのだ。
殺意のリュウ:一つの「もしも」
ZEROシリーズには、プレイヤーの間で語り草となっているキャラクターがいる——「殺意のリュウ」。これは、リュウが殺意の波動に完全に屈した姿。服は灰黒に変わり、両眼は血走り、力は爆発的に増し、理性を失う。
ただし注意してほしい。殺意のリュウは「what-if」の仮想キャラクターで、「もしリュウがあのとき別の道を選んでいたら」という分岐に過ぎず、公式の正史ではない。正史のリュウは、一貫して殺意の波動に抗い、本当に堕ちたことはない。
補完された世界観
ZEROシリーズ最大の価値は、『ストリートファイター1』から『ストリートファイター2』の間の空白を埋めたことにある。リュウとケンの赤い鉢巻、ナッシュの死、ベガによるリュウの殺意の波動への野心、春麗の追跡……すべてが前日譚で語られる。
『ストリートファイター2』を真に理解するには、ZERO/ALPHAシリーズが欠かせない。それはストリートファイターの物語を、「ボスを倒す」だけの話から、来歴のある群像劇へと変えた。