サガット:胸の傷跡の由来
『ストリートファイター』四天王の中に、ストリートファイター2よりも早く登場したキャラクターがいる——サガット。彼の胸の十字の傷跡は、『ストリートファイター1』が残した、シリーズを貫く刻印である。
ムエタイの王
サガットはムエタイ出身の頂点の格闘家で、長身で威圧感があり、眼帯と剃り上げた頭が特徴的。彼は一対の「ムエタイの蹴り」で一帯を制し、『ストリートファイター1』時代の最終ボス、そして当時認められた最強の拳士だった。
あの時代、サガットは「無敵」の代名詞だった。
初代のあの敗北
すべての転機は、『ストリートファイター1』の最終戦で訪れた。若きリュウは勝ち進み、サガットの前に立った。あの激闘で、リュウは限界まで追い込まれ、最後に昇龍拳を放つ。それはサガットの胸にめり込み、骨まで達する十字の傷跡を刻んだ。
この一撃は、サガットの胸に傷を残しただけでなく、その心に執念を植え付けた——ムエタイの王たる自分が、名もなき若造に敗れたのだ。
胸に刻まれた執念
あの傷跡は、サガットの後半生の執念となった。復讐のため、彼はシャドルーに身を投じ、ベガ麾下の四天王の一人となる。表面上はベガの手駒。だが内心で彼が気にしているのはただ一つ——リュウと再戦し、失った誇りを取り戻すこと。
だからサガットは、厳密には純粋な悪人ではない。彼には己の誇りと執念がある。ただ、入る門を間違えただけだ。プレイヤーは彼に、敬意と同時に哀れみを感じることが多い。
傷跡の意味
サガットの胸の傷は、『ストリートファイター』で最も古典的な「身体の語り」の一つだ。それは『ストリートファイター1』と『ストリートファイター2』の二作品をつなぎ、サガットとリュウの間の消えぬ確執を植え付けた。
一つの傷跡、一つの敗北、一つの執念。それがサガット——一撃の昇龍拳に人生を変えられたムエタイの王である。